1.     システムエンジニアを辞めたくなったら？

システムエンジニア（SE）として働いていると、時に仕事に対する不満や将来への不安を感じ、「辞めたい」と思うことがあるかもしれません。しかし、そんな時こそ冷静に状況を分析し、今後のキャリアについて慎重に考えることが重要です。

本コラムでは、システムエンジニアが「辞めたい」と感じた時に考えるべきこと、キャリアアップの可能性、そして転職を決意した場合の注意点などについて詳しく解説します。

1.1.    まず何を考えるべき？

「システムエンジニアを辞めたい」と感じたとき、まず明確にすべきは辞めたい理由です。自分の気持ちを整理し、本当の問題がどこにあるのかを見極めることが大切です。

1.1.1.  辞めたい理由を明確にする

辞めたい理由は人それぞれですが、一般的に以下のようなケースが多いようです。

– 長時間労働やストレスによる心身の疲労

– 給与や待遇への不満

– スキルアップや成長の機会の不足

– 職場の人間関係の問題

– 仕事内容とのミスマッチ

これらの理由を自分なりに整理し、本当の問題点を明確にしましょう。

1.1.2.  職業そのものか、環境か

辞めたい理由が明確になったら、次に考えるべきは「エンジニアという職業自体に向いていないのか、それとも現在の環境が合っていないだけなのか」ということです。

エンジニアとしての仕事そのものに魅力を感じなくなっている場合は、別の職種への転向を考えるのも一つの選択肢です。一方で、エンジニアとしての仕事は好きだけれど、現在の職場環境や待遇に不満がある場合は、同じ職種での転職を検討するのが良いでしょう。

1.2.    同業種・同言語への転職が有利？

システムエンジニアとしてのキャリアを続けたい場合、同業種や同じプログラミング言語を使用する企業への転職が有利になる傾向があります。

1.2.1.  専門性を活かした転職

これまで培ってきた専門知識やスキルを活かせる環境に移ることで、即戦力として活躍できる可能性が高まります。

例えば、Javaに精通しているエンジニアであれば、Java開発を主軸とする企業への転職が有利になるでしょう。

1.2.2.  プロジェクトマネージャー（PM）へのステップアップ

エンジニアとしての経験を積んだ後、プロジェクトマネージャー（PM）としてキャリアアップを目指すのも一つの選択肢です。PMは技術的な知識に加え、リーダーシップやコミュニケーション能力が求められる役割です。自身の得意な技術領域でPMとして活躍することで、より高い報酬を得られる可能性があります。

1.3.    どんなキャリアアップの可能性がある？

システムエンジニアとしての経験は、IT業界に限らず様々な分野でキャリアアップの可能性を広げてくれます。以下にいくつかの選択肢を紹介します。

1.3.1.  ITコンサルタント

ITコンサルタントは、クライアント企業のIT戦略立案や課題解決をサポートする役割です。システムエンジニアとしての技術的知識を基盤に、ビジネス視点でITを活用する方法を提案します。コミュニケーション能力や分析力が求められますが、エンジニアとしての経験が大きな強みとなります。

1.3.2.  SES（システムエンジニアリングサービス）営業

SES営業は、エンジニアを顧客企業に派遣するサービスの営業担当です。エンジニアとしての経験があることで、顧客のニーズを的確に理解し、適切な人材をマッチングすることができます。技術的な知識を活かしつつ、営業としてのスキルを磨くことができる職種です。

1.3.3.  データサイエンティスト

近年、多くの企業が注目しているのが「データサイエンティスト」という職業です。データサイエンティストは、企業が日々生み出す膨大な情報（例えば顧客の購買履歴やウェブサイトの閲覧データなど）を丁寧に調べ、そこから企業の成長に役立つヒントを見つけ出します。

プログラミングスキルを持つシステムエンジニアは、データサイエンスの世界に比較的スムーズに移行できる可能性があります。統計学や機械学習の知識を補完することで、高度なデータ分析のスペシャリストとして活躍できるでしょう。

1.3.4.  セキュリティスペシャリスト

情報セキュリティの重要性が増す中、セキュリティスペシャリストの需要も高まっています。システム開発の経験を持つエンジニアは、セキュリティの観点からシステムを評価し、対策を考える能力を身につけやすい立場にあります。専門的な資格取得などを通じてスキルアップすることで、セキュリティ分野でのキャリアを築くことができます。

1.4.    SEから異なる職種に行きたい場合はどうすればいい？

システムエンジニアとしての経験を活かしつつ、全く異なる職種にチャレンジしたい場合もあるでしょう。以下に、SEから異なる職種へ転向する際のポイントをいくつか紹介します。

1.4.1.  営業職への転向

SEから営業職への転向は、比較的スムーズに行える傾向にあります。特にIT関連製品やサービスの営業では、技術的な知識が大きな武器となります。顧客のニーズを的確に把握し、適切な提案をできる点が元SEの強みとなるでしょう。

1.4.2.  教育・研修関連の職種

SEとしての経験を活かし、IT教育や研修関連の職種に転向するのも一つの選択肢です。プログラミングスクールの講師や企業内IT研修の担当者など、自身の知識と経験を次世代に伝える仕事は、やりがいを感じられるでしょう。

1.4.3.  ビジネスアナリスト

ビジネスアナリストは、企業の業務プロセスを分析し効率化や改善策を提案する職種です。SEとしての経験はシステムの観点から業務を理解する上で大きな強みとなります。技術と経営の橋渡し役として、重要な役割を果たすことができるでしょう。

1.5.    転職を考える前に試してみるべきこと

「システムエンジニアを辞めたい」と思った時、すぐに転職を決断するのではなく、まずは現在の環境で改善できる可能性を探ることをおすすめします。以下に、転職を考える前に試してみるべきことをいくつか紹介します。

1.5.1.  上司や人事部門との率直な対話

現在の不満や問題点について、上司や人事部門と率直に話し合ってみましょう。

多くの場合、会社側も優秀な人材を失いたくないと考えています。自分の状況や希望を明確に伝えることで、予想外の解決策が見つかるかもしれません。

1.5.2.  社内での異動や新しい役割へのチャレンジ

現在の部署や役割に不満がある場合、社内での異動や新しいプロジェクトへの参加を検討してみましょう。多くの企業では、社員のスキルアップや新しい挑戦を支援する制度を設けています。自ら手を挙げて新しい機会を求めることで、現在の不満を解消できる可能性があります。

1.5.3.  スキルアップや資格取得への投資

現在の仕事に物足りなさを感じている場合、自己投資によるスキルアップを検討しましょう。新しい技術の習得や資格の取得は、キャリアの幅を広げるだけでなく、現在の仕事へのモチベーション向上にもつながります。

1.6.    転職を決意したら

様々な改善策を試みても状況が改善されず、転職を決意した場合は、以下の点に注意して準備を進めましょう。

1.6.1.  自己分析とキャリアプランの明確化

転職活動を始める前に、自己分析を行い、今後のキャリアプランを明確にしましょう。自分の強みや弱み、興味関心、価値観などを整理し、どのような環境で働きたいのかを具体的にイメージすることが大切です。

1.6.2.  市場価値を把握する

転職市場におけるシステムエンジニアの需要と報酬の相場を調査し、自分の市場価値を把握しましょう。経験年数やスキルセットに応じた適切な待遇を見極めることで、転職後の不満を防ぐことができます。

1.6.3.  スキルの棚卸しをする

これまでのキャリアで身につけたスキルを棚卸しし、自分の強みを明確にしましょう。特に、他の候補者と差別化できるユニークなスキルや経験があれば、それを積極的にアピールすることが重要です。

1.7.    キャリアに悩んだら

システムエンジニアのキャリアに悩んだ時、一人で抱え込まずに専門家に相談するのも一つの選択肢です。舞jobでは、様々な業界に精通したキャリアアドバイザーがあなたの状況を丁寧にヒアリングし、最適なキャリアプランを一緒に考えます。

システムエンジニアとしてのキャリアに悩んだ時こそ、プロの視点を取り入れることで新たな可能性が見えてくるかもしれません。「このまま続けるべきか」「転職すべきか」迷った時は、ぜひ舞jobにご相談ください。あなたの可能性を最大限に引き出し、理想のキャリアを実現するためのサポートをいたします。